お茶屋がマカロンをつくる理由
こんにちは、弟の正直です。
yahime saryo を始めてから、よくお寄せいただく質問があります。
それが「なぜお茶屋さんなのにマカロンなのですか?」というもの。
たしかに、お茶を提供する和カフェなどのスイーツといえば、「お饅頭」や「抹茶パフェ」が一般的です。
ではなぜ私たち兄弟がマカロンをお届けしているのか。
それは「新たなお茶の楽しみ方を提案したい」からです。
日本で古くから親しまれてきたお茶とフランス発祥の洋菓子。
この意外な組み合わせが生みだすひとときを楽しんでいただきたい。
そんな想いに至るまでには、さまざまな経緯がありました。
気づかなかった本当の価値
幼い頃から、手間を惜しまずにお茶に情熱を捧げる父の姿を見てきました。
しかし、私が本当に父のお茶の魅力を理解できたのは、大人になってからでした。
様々なお茶に触れ、日本そして世界にはいろいろな個性をもったお茶があることを知ったとき、父のお茶の魅力である「甘みや旨みの強さ」に気づいたのです。
そこからは私は、幼い頃から目の前にあったのに気づけなかった
「お茶の世界の面白さ」に引き込まれていきました。
お茶の特徴だけではなく
使えば使うほど味がでる「急須」
陶芸作家の一点ものの「茶器」
食事にあわせたお茶を選ぶ「ティーペアリング」
など、お茶の世界が魅せる様々な表情に引き込まれていったのです。
伝えたい想い
私はその面白さを「もっといろんな人に知ってほしい、広めたい」そんな想いを抱くようになりました。
しかし、私が思っていたよりも世間と私のお茶の捉え方には大きな差がありました。
もちろん人にはよりますが、
お茶に触れる機会がペットボトルや食後に口をすっきりさせる時だけ、という人。
急須を見たのは、実家やおばあちゃんの家が最後、という人。
そんな方々も多くいました。
どうやってお茶の世界の面白さを伝えようか。
その頃、同じ想いや考えを抱いていた兄の達矢と試行錯誤の日々が始まりました。
マカロンとの出会い
実はyahime saryoを始める以前に、
東京・神楽坂で兄と和カフェを営んでいた時期がありました。
割烹料亭を昼間だけ間借りし、お客様の目の前でお茶とお菓子を振る舞っていました。
一点ものの急須を使って淹れた日本茶や台湾茶、それにあわせたお菓子は、オープンしたてにも関わらず、多くのお客様に喜んでいただきました。
しかし、開店から1ヶ月足らずの2020年2月。
新型コロナウイルスの流行により、私たちはお店を畳むことになります。
ですが、そんな短い中でも大きな気づきがありました。
実はこの時、今とは異なる見た目、味ではありますが、抹茶やあんこ、桜やほうじ茶などを使った和のマカロンを提供していたのです。
そしてこの「和のマカロン」に予想以上の反響がありました。
和のマカロンへの想い
お店の看板の「和のマカロン」に惹かれてご来店くださった大学生。
「洋菓子なのにこんなにお茶とあうんですね。」と感想をくださったご夫婦。
マカロンと一緒に「お茶もすごく美味しい」と言ってくれた小学生の女の子。
私たち兄弟はこの時たしかに「お茶の面白さがお客様に伝わっている。」
そんな確信めいた感覚を覚えました。
しかし、思い返してみるとこの反響も当然のことだったのかもしれません。
マカロンは一般的な洋菓子に比べ、香りの主張が強いバターやカカオは使用しない、繊細な味覚のお菓子。
ですが、素材の組み合わせによって様々な味覚や風味を表現することができます。
それが、繊細な香りをもつ日本茶にマッチしないはずがありませんでした。
『Tea Macaron』 の誕生
その気づきから2年、 私たちは「和のマカロン」がもっとお茶と楽しめるよう、パティシエと共に試行錯誤を繰り返してきました。
マカロンの主体となるアーモンドパウダーは、スペイン産のバレンシア種とマルコナ種のブレンド。 さらに細挽きと粗挽きをブレンドし、より香ばしさが立つように。
使用する和素材も選択肢を増やし、より多彩なマリアージュが体験できるものに。
使用する茶葉も複数種類をブレンドし、味により深みを出しました。
こうして、より自信をもって皆様にお届けできる「Tea Macaron」が誕生し、yahime saryo のオープンに至ったのです。
これからも「Tea Macaron」と「お茶」が、みなさまのひとときを彩ってくれることを願っています。
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